原因
上肢を後ろに伸ばして(伸展)して倒れたり、肩を下にして転倒した場合の介達外力によって受傷する例が多い。どの年齢層においても頻度の高い骨折である。
↑前回の記事から引用。
原因と書いてありますが、言い換えれば「受傷機転」てやつですね。
教科書には必ず書いてあります
なぜ受傷機転を考えるのか
それは整復をするため
これに尽きると思います
だいぶ柔整チックな考え方だと思いますが、私はここに柔整師が外傷をみる価値を感じています
鎖骨骨折に限らずの話ですが整復は受傷の反対です
「受傷が分かれば整復はその逆を辿るだけ」なんて言いますが、本当にその通りだと思います
鎖骨骨折に当てはめて考えてみましょう
原因に手をついてとありますが、多くの鎖骨骨折は肩をついての受傷でしょう
転倒して肩を前からついたか、後ろからついたかで大きく分けられます
猫背になるように肩を丸めて転倒すると、肩の後ろから地面につくことが多いです。
バイクの交通事故なんかで勢い余ったまま前方に放り出されると肩の前から地面につくこともあります
大きくこの2つのパターンです
定型的骨片転位について
ここで鎖骨骨折の定型的転位について振り返ります
近位骨片は胸鎖乳突筋に引かれ上方へ、遠位骨片は上肢・肩甲骨の重さにより下方へ転位する。
何が言いたいかというと、先ほど説明したどちらの受傷機転でもこの定型的転位になるということです
受傷↔︎整復
鎖骨骨折の整復=肩を後方に引く
は誤りです
遠位骨片が前方からのルートを通って定型的位置にきたものに対して、いくら後方に引いても整復位を取れることはありません
だって受傷の逆を辿っていないんだから