骨折、脱臼、捻挫などのケガをしたとき、初期に適切な処置をすると、驚くほど早く痛みが和らぐことがあります。完璧に処置ができると固定直後からほぼ痛みがなくなり、固定してから3日も経てば痛みがなくなるケースが多いです。
そうなると、患者さんから「もう痛くないのになんで固定するんですか?」というご質問をよくいただきます。特に、元気な子どもたちは「もうギプスを外したい!」「もう治ったよ!」と言ってくることも少なくありません。
結論から言うと、痛みがなくなっても固定は必要です。
これは、**「痛みの治療」と「組織の治癒(修復)の治療」**は、実は異なる段階にあるからです。
痛みがなくても、ケガは治っている途中
ケガをすると、まず**「炎症期」**と呼ばれる時期が始まり、強い痛みが出ます。この時期が過ぎると、痛みは落ち着いてきます。
しかし、痛みがおさまったからといって、ケガが完全に治ったわけではありません。
「炎症期」がおさまった後は、**「修復期」**に入ります。この時期は、壊れてしまった組織を元通りに治すために、身体が一生懸命働いている大切な期間です。
なぜ固定が必要なの?
痛みがないからと動かしてしまうと、せっかく治ろうとしている組織がまたダメージを受けてしまい、治癒が遅れたり、元の状態に戻らなかったりする可能性があります。
本当に大切なのは、この修復期に適切な安静を保ち、身体が持つ本来の治癒力を最大限に引き出すことです。 そのために、患部をしっかりと固定する必要があるのです。
風邪をひくと身体がだるくなって安静にできますが、運動器のケガは患部以外は元気なため、「動かしたい」という気持ちになってしまうのが難しいところですね。笑
